FUT-LOG

フットサルを中心に雑食的フットボール観戦記。

アグレミーナ浜松サテライト県リーグ参入戦

2016年4月2日(日)

アグレミーナ浜松の2016シーズンは「サテライトチームの発足」というニュースからスタートしました。正確に言えばこれは2015/16フットサルシーズン終わりの出来事になるのですが、アグレミーナ的には2016シーズンの出来事にカウントしたほうがいいかなと思い、新しいタグでブログを書きます。

この日、静岡県フットサルリーグの参入決定戦が行われ、そこにアグレミーナ浜松サテライトが参加。見事に三連勝を果たし2016シーズンの静岡県フットサルリーグ2部参戦を決めました。

経緯を振り返ると、まずは昨年12月にアグレミーナ浜松とエスパッソフットサルスクールの経営統合が発表。

これでアグレミーナ浜松は少なくとも形式上は、Fリーグチームをトップとして下は育成年代U-6クラスまで、一気通貫しての指導体制を揃える総合フットサルクラブとして土台が整ったことになります。唯一、エスパッソと統合してもなおポッカリ空いていた18歳以上の社会人育成チームの部分に今回サテライトが新設されました。なお、U18以下各年代の選抜チームを「アグレミーナ/エスパッソ」と称し、エスパッソの名前はそこに残してスクール事業はすべて「アグレミーナ浜松フットサルアカデミー」に統合されるようです。

個人的には「ぜひこのタイミングでサテライトチームの発足を!」と妄想していたことが実現の運びとなった形でとてもうれしいのですが、ただいきなり県リーグからのスタートとは予想していませんでした。静岡県のフットサルリーグは県リーグの更に下に西部・中部・東部の3つの支部リーグがあり、さらに浜松市のある西部支部はなんと3部リーグまで存在します。通常であれば、西部3部→2部→1部→県2部→県1部→東海2部→東海1部と、名古屋オーシャンズサテライトと同じカテゴリに上がるまでには最低でも6年かかることになります。そこをアグレミーナ浜松サテライトは「連盟推薦」という枠をもらって、この県リーグ参入戦から、いわば飛び級で参加することになりました。

参入戦のこと自体があまり大きな話題にはなっていませんでしたが、知る人からは当然賛否両論ありました。

【否】の意見としては、端的に言ってしまえば要するに「ずるい」という声。「Fリーグの下部組織だからって特別扱いなの?」という意見です。

【賛】の意見としては、まずは連盟や協会の立場としておそらく「F下部組織に相応しいカテゴリでないと強化にならない。Fクラブが強くなることが静岡フットサル全体の底上げになる」という思いがあると思いますが(注:特に誰かからそう聞いたというわけではないです)、ほかにもリーグに参加する立場として「実力が段違いに異なるチームが下位のカテゴリにいたら、その年の優勝はそのチームでほとんど決まってしまってモチベーションが下がる」というような声も見かけました。

どちらの意見もある意味で正しいと思います。ぼく個人の意見としては「せめて連盟推薦に決まった経緯等はきちんと公表・説明すればいいのに」ということと「そう決まったからには、実力として飛び級は妥当だと誰もが納得するほどの結果を出すしかない」ということです。女子で昨年、やはり連盟推薦で県リーグに参入し、全勝優勝で東海へ昇格したDFUT WINGSのように。

少し前置きが長くなりましたが、アグレミーナ浜松サテライトが戦った「参入戦」、この3週間前の3月12日にまず「県リーグ入れ替え戦」が行われました。県2部リーグの下位3チームと、各支部リーグの上位2チームがそれぞれ3ブロックに分かれリーグ戦を行い。1位抜けしたチームが県2部に残留・昇格します。この結果は上図のように静岡産業大学コレーガ、LIBERAL/静岡球's倶楽部、FC Azul claro御殿場が残留・昇格を決めました。通年ならばここで入れ替え戦は終わりなのですが、実は今年は枠が更にもう2つありました。これは2部リーグに所属するチーム数が1つ増えるのと、県1部から東海リーグに昇格するチームがあったためその分増えたそうです。

そこで、「参入決定戦」として入れ替え戦の各ブロック2位とアグレミーナ浜松サテライトを入れた4チームでリーグ戦を行い、上位2チームが県2部リーグに参入できるということになります。いわば敗者復活戦ですね。ですから一応、「アグレサテのせいで本来昇格できるはずたったチームの数が減った」とはならない形での参入となったのは不幸中の幸い(?)だったのかもしれません。この結果、浜松サテと楽笑舎が県リーグ2部参入を決めました。

それでは、試合内容とメンバーを写真付きでレポートしていきます。

※素人が撮った下手くそな写真ですが、お金と時間をつかって会場まで通い、夫婦で一生懸命撮った写真です。無断での転載・転送はご遠慮ください。


第1試合

楽笑舎フットサルクラブ 6-0 Libre Juegos/遠州紙商事 DUVAS FUTSAL CLUB 0-2 アグレミーナ浜松サテライト


アグレミーナ浜松サテライトとしての初試合。とはいえ、メンバーのほとんどはエスパッソやマリオフットサルスクール、そして静岡県U18選抜の一員として全国大会の舞台を経験している。初陣とはいえそんなにプレッシャーを感じることもないかと思われたが、予想に反して選手たちの動きは堅かった。ガチガチと言ってもいいくらいだろう。

そんな中で、ひときわ落ち着いたプレーを見せる選手が2人。それはなんと豊島明コーチと、

そして和泉秀美GM。元日本代表2名がフィクソに入りチームを引き締める。

お互いにゴールが決まらないまま時間が過ぎていくが、そんななかで6.津野瀬ニコラス選手と

U18日本代表候補、10.市川宙選手がゴール!あぶなかっしい場面もチラホラありながらも、2-0でなんとか初戦を勝利で飾った。

CR7のゴールパフォーマンスを真似て見せる(?)10.市川選手。

サテライトの選手たちに熱心に指導する7.和泉 選手兼コーチ。


第2試合

アグレミーナ浜松サテライト 3-0 Libre Juegos/遠州紙商事 DUVAS FUTSAL CLUB 2-6 楽笑舎フットサルクラブ


初戦を勝利し、多少は硬さが取れてきたか?初戦に比べるとボールを保持する時間が増えた浜松サテ。

まずは7.和泉選手がセグンドに詰めて先制。

さらに11.山桐正護選手が2得点を決めて3-0の勝利。山桐選手はこの後、サテライトを飛び越えて弱冠18歳でのトップチーム入りが発表されている。

楽笑舎とアグレサテが2連勝し、この時点で県2部への参入を決定。まずは最低限のノルマを果たしたといえる。
しかし、浜松サテはまだまだ「チーム」になれてない感が見ていて否めない。試合を重ねていくなかで熱が出てきて、それが客席にまで伝わってくると面白くなるのだが、首位決定戦はどうなるだろうか?


第3試合

楽笑舎フットサルクラブ 2-4 アグレミーナ浜松サテライト DUVAS FUTSAL CLUB 4-1 Libre Juegos/遠州紙商事

「県リーグ参入戦」としては消化試合となってしまった第3試合だがチーム間で協議の結果、最後まで実施することに。第3試合は楽笑舎と浜松サテの首位決定戦となった。

連盟推薦としての実力を示すために是が非でも三連勝を飾りたい浜松サテだったが、カウンターから楽笑舎24.稲葉選手に先制ゴールを許す。

先制弾に大盛り上がりの楽笑舎。劣勢に立って改めて感じたことだが、この3試合、浜松サテは非常に"静か"で"おとなしい"チームだった。
勝っていても、負けていても静かなのだ。「若いんだから元気よくやれぃ!!」と乱暴に言ってしまえばそれは単なるおじさんの押し付けになるかもしれないが、フットサルにおいてはメンタルの盛り上げ方も実力の内だということは、トップチームを見てきて身に染みている。

そういう意味で楽笑舎は実に対照的なチームだった。後半には5.高塚選手のゴールで2点差に。12分ハーフでしかもランニングタイムと、試合時間が短い試合での2点差は非常に大きなビハインドだ。

しかしここから、浜松サテの反撃が始まる。まずは初戦でも先制点を挙げた6.津ノ瀬選手がゴールを上げると、ミドルシュートにゴール前で合わせた7.和泉選手が追加点。同点に追いつく!

そして17.名倉佑哉選手のゴールでついに逆転。さらに11.山桐選手がもう1点を追加し、0-2からの逆転で三連勝!決して圧倒的とは言い難いが、連盟推薦の面目は保ったと言えるだろうか。



ここから、参入戦を戦ったメンバーを一人ずつ紹介する。ユニフォームはトップチームの2015シーズンユニフォームを"おさがり"で使用しており、そのため背番号もこの試合限りの暫定と思われる。


No.5 宇田川幸輝

全日本ユースフットサル選手権で3位になった2015年のエスパッソU-18キャプテン。普段はフィクソの選手だと思うが、和泉・豊島が最後尾についたこの日はサイドをドリブル突破するシーンも多く見られた。アグレミーナU21から参加していた選手だが、2016シーズンはDELIZIA磐田(東海1部)に入団する。


No.6 津ノ瀬ニコラス

エスパッソ出身でジュビロ磐田U-18でもプレーしていたようだ。スタンドの観客とポルトガル語で話す場面も。第1、第3試合で貴重な先制点を挙げる。


No.7 和泉秀美

言わずと知れた?元フットサル日本代表で静岡フットサルのレジェンド。最後尾での駆け引きとタイミングを捉えた飛び出しはさすがのひとこと。


No.8 豊島明

ユニフォーム姿にも違和感なしの豊島コーチは、このサテライトチームの監督に就任。この日は和泉氏と交代でフィクソに入り、チームのDFを引き締めた。


No.10 市川宙

エスパッソ出身。U18日本代表候補。全日本ユースフットサル選手権では得点王に輝き、フットサルファンの間ではすでに全国区の知名度。この日の試合を見ていてもやはり頭一つ抜けた実力があるように感じたが、しかし爆発的と言えるほどの活躍は見せられず。今後に期待。


No.11 山桐正護

マリオフットサルスクール出身。参入戦では10.市川と並んで抜きんでた実力を見せていた。先述の通り、サテライトからすでにトップ昇格を果たしている。強化指定選手としてサテと掛け持ちする可能性もあるかもしれないが、今季のトップチームはかなり人数が絞られているのでFリーグデビューのチャンスはきっとあるだろう。


No.14 浅井拓

エスパッソ出身。この日は怪我でプレーを見ることは出来ず残念だった。U18日本代表候補でシュライカー大阪の木暮監督もその素質に惚れ込んだというエピソードもある。宇田川と同じくDELIZIA磐田に入団。


No.16 杉山大吾

マリオフットサルクラブと掛け持ちで、アグレミーナU21から参加。最初の2試合は1stセットで長く出ていたが、3戦目vs楽笑舎戦では試合開始後すぐに足を挫いてしまい無念の途中離脱。


No.17 名倉佑哉

第3試合vs楽笑舎戦で値千金の逆転ゴールを決めた。U18静岡県選抜メンバーとしてGAViC CUPにも出場している。


No.21 佐野空我

ゴレイロの選手は初見だった。ちょっとフットサルのルールに怪しそうなところが見られたので、サッカーからの転向か?と思い調べてみるとどうやら名古屋産業大サッカー部出身のようだ。高校生もいるサテライトチームの中では比較的年長者で、この日はキャプテンマークを巻いてプレー。


No.22 西村風輝

マリオフットサルクラブ出身。アグレミーナU21から参加。この日は1st/2ndセットには組み込まれず、状況によって名倉選手と交代で出場することが多かった。

※素人が撮った下手くそな写真ですが、お金と時間をつかって会場まで通い、夫婦で一生懸命撮った写真です。無断での転載・転送はご遠慮ください。


というわけで、無事に静岡県リーグ2部参入を果たしたアグレミーナ浜松サテライト。この11名からコーチ2人とDELIZIA磐田入団の2人を除き、この日は試合に出ていなかった佐藤修一選手、西内ヘナン選手、増井英汰郎選手の3名、そして今季はサテライトチームスタートとなったルーカス選手を加えて県2部リーグを戦います。

浜松ファンのみなさん、Fリーグだけでなくこの若い選手たちの試合もぜひ見に行ってみてください。いろいろと厳しいことも書きましたが、この年代の選手たちはきっと1試合ごとにものすごいスピードで成長していくことでしょう。トップ昇格はもちろん、日本での開催を目指している2020年フットサルW杯ではぜひともこの中から代表選手が出てきて欲しいですね!!

がんばれ、アグレミーナ浜松サテライト!


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参考記事

アグレミーナ浜松サテライト 県2部リーグ参入のお知らせ
http://agleymina.jp/news/news-3574.html

アグレミーナ浜松サテライト メンバーのお知らせ
http://agleymina.jp/news/news-3610.html

新加入選手のお知らせ
http://agleymina.jp/news/news-3563.html

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